NEWS & DOCUMENTARYAIと人間のこれから。
RAXUS AIAIのいまを確かめて届ける。
LATEST EDITION

Moonshot AI、Kimi K3.1 Proを公開――第三者指数は55点で4位、API単価は前世代比33%値下げ、重みは11月4日までに公開予定

Moonshot AIは2026年10月23日、Kimi K3を大規模に追加学習したKimi K3.1 Proと、速度を2〜3倍にしたHighspeedを公開しました。Kimi系サービスとAPIで利用でき、第三者評価Artificial AnalysisのIntelligence Indexは55点で4位です。API単価は前世代K3から33%下がり、モデル重みは2026年11月4日までに公開する予定です。重みは現時点で未公開です。

K3.1 Proは新しい事前学習モデルではありません。2026年7月公表のK3(総パラメータ2.8兆のMoE)に追学習を重ね、数百の下流分野にわたる大規模強化学習を施したモデルです。コンテキスト窓は100万トークンで、強化学習基盤・長文推論・学習効率を含む一連の改良で「RL計算の追加が安定した成果を返す」状態を作ったと説明されています。総パラメータ2.8兆・推論時に動くアクティブパラメータ1,040億は、Artificial Analysisが確認した公表仕様です。

性能の評価は会社公表値と第三者測定で分けて読む必要があります。会社公表では、コーディングエージェントのTerminal-Bench 4.0で65.7%(Claude Codeハーネス)でした。内部ベンチのKimi Code Bench 3.0 Long-horizonは61.2%で、K3の55.95%を上回ります。一方、Artificial Analysis(10月23日付)はIntelligence Index 55点で4位、K3の44点から11点上がったと測定しました。上位はClaude Opus 5.5(58点)、Claude Sonnet 5.5(56点)、Muse Wonder Full(56点)です。同測定のTerminal-Bench 4.0は67%で全モデル最高、エージェント業務のGDPval-AAは1,846 Eloで3位(K3比+312)、AutomationBench-AAは58%から73%に上がりました。会社公表の65.7%とAA測定の67%は測定条件が異なる別の数値です。

図解K3.1 ProとK3の対比
  • Intelligence Index(Artificial Analysis)

    K3.1 Pro
    55点(4位)
    K3
    44点
  • Terminal-Bench 4.0(AA測定)

    K3.1 Pro
    67%
    K3
    13%
  • API価格 入力/出力(100万トークン)

    K3.1 Pro
    13元/68元
    K3
    20元/100元
  • モデル重み

    K3.1 Pro
    未公開(11月4日までに公開予定)
    K3
    公開済み

出典はArtificial Analysis(2026年10月23日付)とKimi APIプラットフォームの公表価格(2026年10月24日確認)。指数とベンチは同一測定時点の値で、将来の順位を保証しない。キャッシュヒット入力はK3.1 Proが1.3元、K3が2元。

価格は100万トークン当たり入力13元、出力68元、キャッシュヒット入力1.3元で、旧K3(20元/100元/2元)から33%下がりました。Highspeedは入力26元・出力136元と通常版の2倍で、速度は約2〜3倍(会社公表)です。Artificial Analysisの米ドル換算は入力2ドル・出力10ドル・キャッシュヒット0.2ドル。ただし同社の測定では、タスク当たりの出力トークンがK3比14%増(5.5万対4.8万)になるため、タスク当たり費用は約1.98ドルとK3とほぼ同じです。単価の下げがそのまま総費用の下げにはならない例です。

「私たちの狙いは、サイバー能力の絶対的な水準を広げるようなオープンウェイトを公開しないことです。」

First, we aim not to release open weights that would extend the absolute frontier of cyber capability.

Moonshot AI、Kimi K3.1 Pro技術ブログ、2026年10月23日付

公開前の安全設計も公表されました。開発過程でサイバー関連の能力が伸びる要因を追跡した結果、中間学習の一般データと強化学習の環境にサイバー関連の内容が混在していたため、公開用のモデルでは両段階からサイバー関連データを除去・選別したといいます。内部ベンチxdev-bench-hard(pass@3)では、対策を施さない分岐が90.5%だったのに対し、最終版は81.0%でした。同社の内部評価であり、第三者検証ではありません。サイバー能力が下がっても81%が残ることから、安全性が保証されたと読むことはできません。

図解重み公開に向けた安全設計の流れ
  1. 01 学習

    サイバーデータの除去

    中間学習とRL環境の両段階からサイバー関連データを除去・選別。汎用コーディング課題は保持。

  2. 02 評価

    90.5%→81.0%

    内部ベンチxdev-bench-hard(pass@3)での対策前分岐と最終版の比較。同社内部評価。

  3. 03 提供

    製品とAPIで利用開始

    Kimi.com、Kimi Work、Kimi Code、APIで利用可能。APIではZero Data Retentionを選択できる。

  4. 04 重み公開

    11月4日まで予定

    公開予定日。ライセンスの最終条件は公開時の確認が必要。

出典はKimi K3.1 Pro技術ブログ(2026年10月23日付、2026年10月24日確認)。90.5%対81.0%は同一社内ベンチでの分岐比較であり、第三者評価ではない。

利用の面では、Kimi Codeの公式履歴が10月23日付で「K3.1 Pro Series is live」と記録しました。モデルIDはkimi-k3.1-proとkimi-k3.1-pro-highspeedで、Kimi Codeでは思考モードが必須(low/high/max)です。重みが11月4日までに公開されれば、現時点で最高得点のオープンウェイトモデルになるとArtificial Analysisは見ています。2.8兆パラメータ級のセルフホストには大規模な計算設備が必要です。焦点は、重み公開の履行とライセンス条件、そして実業務での総費用(単価ではなく出力トークン量込み)が第三者でも再現できるかです。

出典

  1. Introducing Kimi K3.1 Pro(Moonshot AI・技術ブログ)2026-10-23付。K3の追学習版である旨、100万トークン窓、Terminal-Bench 4.0の65.7%(Claude Codeハーネス)、Kimi Code Bench 3.0の61.2%対55.95%、サイバー関連データの両段階除去とxdev-bench-hardの90.5%対81.0%、対応製品とモデルID、Zero Data Retention、重みの11月4日まで公開予定、オープンウェイト原則の声明を本文で確認。
  2. Kimi API 开放平台(Moonshot AI)K3.1 Proの入力13元・出力68元・キャッシュヒット1.3元、Highspeedの26元・136元、K3の20元・100元・2元(いずれも100万トークン当たり)と1Mコンテキスト、K3が2.8兆パラメータの「オープン」モデルである旨を価格表示で確認。
  3. What's New(Kimi Code公式ドキュメント)2026-10-23付「K3.1 Pro Series is live」。Highspeedが同等品質で約2〜3倍の速度、思考モード必須(low/high/max、既定high)、プラン別の利用条件を確認。
  4. Kimi K3.1 Pro launches at 4th on the Intelligence Index scoring 55(Artificial Analysis)2026-10-23付。Intelligence Index 55点・4位(K3比+11)、Terminal-Bench 4.0の67%(K3は13%)で全モデル最高、GDPval-AA 1,846 Elo(3位、+312)、AutomationBench-AA 58%→73%、2.8T総・104Bアクティブ、$2/$10/$0.20の価格、重み未公開、タスク当たり約$1.98でK3と同水準(出力トークン55K対48K)を確認。

出典の確認日 2026.10.24

KEEP EXPLORING

あわせて読みたい記事と映像

プロダクトの記事一覧
  1. Block、会話音声だけで学習したとする全二重音声モデルDessaを公開 M4 MaxのMacでローカル推論

    決済大手Block(旧Square)内の小規模なAI研究チームは2026年10月23日、人間の会話音声だけからゼロから学習したとする音声対話モデル「Dessa」を研究プレビューとして公開しました。テキストデータも既存の事前学習済みモデルも使っていないとチームは説明しています。MacBook Pro M4 Max以上のMacでリアルタイムより速いローカル推論が動くとされます。現時点で一般向けのAPIやモデル重みの公開はなく、少数のAI安全性研究者への早期アクセスとウェイトリストの段階です。

    記事を読む
  2. MetaのパーソナルAIエージェントMuseが日本で提供開始 北米以外で初、メルカリ・マネーフォワードME・ぴあと連携予定

    Metaは2026年10月23日、個人向けAIエージェント「Muse」の日本での提供を開始しました。9月に先行提供した北米以外では初の地域です。iOS、Android、Web(muse.ai)から利用でき、多くの基本機能は無料です。メルカリ、マネーフォワード ME、チケットぴあとは連携を進めると発表しましたが、稼働開始日は示されていません。

    記事を読む
  3. NTT、既存システムをAIが扱える状態に変換する技術を発表 設計書の不整合検出は予備実験で27%から80%に

    NTTは2026年10月23日、仕様書・設計書・コード・テストの対応関係を機械が扱える形に整理し、文書とコードの不整合やテストの不足を検出・補完する2つの技術を発表しました。サンプルアプリでの予備実験では、設計書に埋め込んだ41件の誤りの検出率が、従来のRAG方式の27%に対して提案手法は80%になりました。実案件への適用は今後で、製品化の時期は示されていません。

    記事を読む