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BUSINESS REVIEW #185 · JV DISSOLUTION

光通信との合弁を解き、
51%を100%へ。
現金と株式の
二段構えを読む

49%の残りを、現金と自己株式の二段構えで取得する。完全子会社化は2026年10月26日予定の自己株式取得と、11月9日予定の簡易株式交換で構成される。対価総額は非開示のまま、効力発生日の2026年11月9日を迎える。

公開日 · CARBON NEUTRAL / JV | 2026.10.19 発表 | 効力発生日2026-11-09予定・対価総額非開示

合弁を解き、意思決定を内側へ。を表現した編集イメージ(AI生成)
CARBON NEUTRAL / JV / AI EDITORIAL IMAGEISSUE 185

01 / CASE

51%の合弁会社が、
100%子会社に変わる。

レカムが発表したのは、合弁相手から残り49%を取得する方針である。ニュースの見どころは、取得を一つの手続で済ませていない点にある。

JV DISSOLUTION / WHOLLY OWNED

30秒で読む

クロージング前(効力発生日2026年11月9日予定)2026年10月20日時点

レカムは2026年10月19日、連結子会社レカムIEパートナーを株式交換で完全子会社化すると発表した。開示時点の議決権比率はレカム51.0%、光通信49.0%である。 (S1)

手続は二段階である。第一にRIEが2026年10月26日予定で光通信保有株式53株を現金で自己株式取得し、消却する。第二に残る45株を対象に、レカムが簡易株式交換で自己株式920,188株を交付する。効力発生日は2026年11月9日予定。 (S1)

対価は現金と株式の併用で、現金で取得するのは53株に限られる。残る45株は株式交換の交付株式で賄い、RIEの評価額(対価総額)と現金部分の金額は非開示である。 (S1)

STAKEHOLDER MAP

合弁の解消で、株主が一巡する

株式交換完全子会社レカムIEパートナー(RIE)2016年5月設立の合弁会社。発行済株式200株(効力発生日前)

株式交換完全親会社

レカム株式会社3323・東証スタンダードRIE議決権51.0%(102株)を保有

現行株主

株式会社光通信RIE株主RIE議決権49.0%(98株)を保有
株式会社光通信レカムIEパートナー(RIE)
53株を現金で譲渡(RIEの自己株式取得)

実行日2026年10月26日予定。取得した株式は消却予定

(S1) / 2026-10-19
レカム株式会社レカムIEパートナー(RIE)
残り45株を自己株式920,188株と交換

簡易株式交換。効力発生日2026年11月9日予定

(S1) / 2026-10-19
レカム株式会社株式会社光通信
交換後に光通信へレカム株920,188株

光通信はレカムの議決権約1.14%(2026年3月31日現在の基数)を持つ株主になる

(S1) / 2026-10-19
予定(効力発生日の前提手続)株式交換後に確定する関係
矢印は手続の流れを示す。53株の現金取得と株式交換はいずれも予定を含み、効力発生日までは確定しない。光通信はRIE株式と引き換えにレカム普通株式920,188株を受け取る。 (S1)

DEAL PROGRESS

二段の手続で100%に近づく

  1. 01
    取締役会決議・株式交換契約締結

    2026年10月19日、両社の取締役会が決議し、レカムが株式交換契約を締結した。ここまでは完了している。 (S1)

    完了|2026-10-19
  2. 02
    RIEの自己株式取得(53株)

    RIEが2026年10月26日(予定)に光通信保有株式53株を現金で取得し、効力発生日の前日までに消却する予定。 (S1)

    予定|完了未確認
  3. 03
    簡易株式交換(45株)

    残る45株を対象に、レカムが自己株式920,188株を交付する株式交換。効力発生日は2026年11月9日(予定)。 (S1)

    予定|完了未確認
  4. 04
    完全子会社化(100%)

    消却後のRIE株式147株の全てをレカムが保有し、議決権比率100%となる予定。現時点では完了していない。 (S1)

    予定|効力発生日未到来

2026年11月9日は効力発生日の予定で、完了を示さない。簡易株式交換は会社法796条2項に基づき株主総会の承認を省略する手続で、一定数以上の反対通知があった場合には株主総会の承認を要する。 (S1)

合弁から完全子会社化までの履歴(5件)

2016.05.26

RIE設立

レカムと光通信の合弁会社として設立。LED照明、業務用エアコン、防犯監視カメラ等の環境商材の販売と新電力サービスを手がける。 (S1)

2026.10.19

取締役会決議・株式交換契約締結

完全子会社化の方針を公表。開示時点の議決権比率はレカム51.0%(102株)、光通信49.0%(98株)、発行済株式総数は200株。 (S1)

2026-10-26(予定)

RIEの自己株式取得・RIE株主総会

RIEが光通信保有の53株を現金で取得し、会社法319条1項の書面決議による株主総会を開く予定。 (S1)

2026-11-08まで(予定)

自己株式の消却

RIEが取得した自己株式の全部を、効力発生日の前日までに消却する。消却後の発行済株式総数は147株になる予定。 (S1)

2026-11-09(予定)

株式交換の効力発生日

残り45株とレカム自己株式920,188株の交換が効力を発し、RIEはレカムの完全子会社になる予定。 (S1)

レカム株式会社(3323)は2026年10月19日、光通信との合弁会社レカムIEパートナー株式会社(以下RIE)を株式交換の完全子会社とすることを決議し、株式交換契約を締結した。開示時点の議決権比率はレカム51.0%、光通信49.0%である。 (S1)

背景には合弁の解消がある。レカムは、合弁関係の解消によりRIEの経営に関する意思決定をグループ内で完結させたいと開示している。合弁から約10年が経ち、親会社が相手方の持分を取り込む少数株主整理の典型形である。 (S1)

読むべき点は二つある。第一に、取得は現金と株式の併用で進み、現金で取得するのは53株に限られ、残る45株はレカム株式の交付で賄われる。第二に、全てが予定であり、効力発生日(2026年11月9日予定)の到来まで完全子会社化は完了しない。 (S1)

根拠の開閉FACT / ANALYSIS / HYPOTHESISの区分と出典を同じデータから提示します
FACT
2026年10月19日、レカムは連結子会社レカムIEパートナーの完全子会社化を決議した。手続は二段で、RIEが光通信保有株式53株を現金で自己株式取得した後、残る45株を対象にレカムが簡易株式交換を行う。交付するのはレカムの自己株式920,188株で、新株式の発行はない。基準株価は直近3か月の終値単純平均(87.53円を1円未満切上げ)の88円。効力発生日は2026年11月9日予定で、本稿執筆時点(2026年10月20日)はクロージング前である。 (S1) (S2)
ANALYSIS
この案件は「レカムが現金で49%を買い取った」という読み方に乗らない。現金部分(53株)と株式部分(45株)を案分し、対価のバランスを取る設計と開示されている。現金を全額にしない理由の一つは、RIEの評価額を開示しないまま、交付株式数を基準株価で確定できる点にあると読める。株式交換が簡易手続で足りるのは、レカムが過半を保有し、支配が続くためである。
HYPOTHESIS
光通信にとっての出口を現金とレカム株の組み合わせにしたのは、合弁の解消を関係の断絶にしないためだと考えられる。効力発生日以降、光通信はレカム株主として残る。環境商材市場の変化で合弁の意思決定コストが上がっていたかどうかは、両社の中長期計画の開示を待って検証する価値がある。
根拠資料一覧を見る ↓

2026年10月20日時点の公開情報。以降の章は、開示事実を土台にしたRAXUSの分析・仮説です。根拠資料を見る ↓

03 / SCHEME

53株の現金取得と、
45株の株式交換。

二段の手続を一つに混ぜないことが、この案件を読む前提になる。

第一段はRIEの自己株式取得である。RIEは2026年10月26日予定で、光通信が保有するRIE株式のうち53株を現金で取得する。会社法156条及び160条に基づく手続で、取得した自己株式は効力発生日の前日までに消却される予定だ。 (S1)

第二段が株式交換である。自己株式取得後、光通信の手に残る45株を対象に、レカムは自己株式920,188株を交付する。レカムは保有する自己株式を充当し、新株式の発行は行わない。発行済株式総数は変わらず、希薄化も生じない。 (S1)

交付株式数920,188株は、RIE株式45株の評価額を基準株価88円で除して算定した。基準株価は2026年7月17日から10月16日までのレカム株終値の単純平均(87.53円を1円未満切上げ)である。割当比率は1対約20,448.62。 (S1)

手続の要は簡易株式交換である。会社法796条2項により、レカムは株主総会の承認を経ずに株式交換を行う予定である。一定数以上の株主から反対通知が届けば承認を要する。支配が続く取得では、株主総会を開かずに非支配持分を整理できる。 (S1)

04 / CONSIDERATION

現金と株式を案分する。
総額は開示しない。

「いくらで取得したのか」に直接は答えず、対価の作り方だけを開示する案件である。

RIE株式(49%相当)の取得対価は、自己株式取得の現金部分と、株式交換で交付するレカム株式部分に案分する設計で、両部分の対価バランスの均衡を図るとしている。現金部分の金額は開示されていない。 (S1)

株式部分の規模は基準株価から読み取れる。88円×920,188株で約81百万円相当のレカム株という計算になる。ただしこれは交付株式の基準価額に当てはめた計算値であって、RIEの評価額そのものではない。対価総額(RIEの評価額)は非開示である。 (S1)

評価の算定根拠は開示されている。RIE株式の価値は、RIEの財政状態、資産の状況、将来の事業活動の見通し等を総合的に勘案したレカムの株式価値評価(第34期事業計画に基づく将来キャッシュフロー評価で、割引率等は減損テストと同一のパラメータ)を基礎に、光通信との協議で決定した。 (S1)

会計上、この一連の取引は支配継続下の資本取引として処理される(IFRS第10号)。のれんは計上されず、対価と非支配持分の帳簿価額の差額は資本剰余金に入る。損益への影響はなく、レカム自身も2026年9月期と2027年9月期の連結業績への影響を軽微と見込んでいる。 (S1)

05 / PARTIES

親会社はITと環境の
総合ソリューション企業。

完全子会社化の対象となる事業と、受け取る側の規模を確認する。

FACT / 開示情報COMPANY SNAPSHOT
レカム株式会社

東証スタンダード・3323

海外ソリューション、国内ソリューション、DX事業

  • 売上収益13,088百万円(2025年9月期連結・IFRS) (S1)
  • 営業利益408百万円(2025年9月期連結・IFRS) (S1)
  • 売上収益(四半期累計)12,434百万円(2026年9月期第3四半期累計) (S1)
  • 資本金2,449百万円(2026年6月30日現在) (S1)
レカムIEパートナー株式会社(RIE)

非上場

LED照明、業務用エアコン、防犯監視カメラ等の環境商材販売・新電力サービス

  • 発行済株式総数200株(2026年10月19日現在) (S1)
  • 議決権比率レカム51.0%/光通信49.0%(2026年10月19日現在) (S1)
  • 資本金10,000千円 (S1)
  • 売上高・利益未開示(非開示会社のため公表値なし) (S1)
  • 2016年5月26日設立。レカムの役職員4名がRIEの取締役3名・監査役1名を兼務。 (S1)
数値は出典に示された期・範囲のまま。未開示の項目を推計で補わない。

レカムは1994年9月30日設立。海外ソリューション、国内ソリューション、DXの3事業を展開し、2025年9月期の連結売上収益は13,088百万円、営業利益は408百万円(IFRS)。2026年9月期第3四半期累計の売上収益は12,434百万円である。 (S1)

RIEは2016年5月26日設立の合弁会社で、LED照明、業務用エアコン、防犯監視カメラ等の環境商材の販売と新電力サービスを提供する。資本金は10,000千円。非開示会社で、財務数値は公表されていない。 (S1)

両社の関係は資本に留まらない。レカムの役職員4名がRIEの取締役3名と監査役1名を兼務し、レカムはRIEから経営指導料を受け取っている。合弁でありながら、親会社の関与が深い子会社だった。 (S1)

株式交換の後、光通信はレカム普通株式920,188株を受け取る。議決権にして9,201個で、レカムの総株主議決権806,967個(2026年3月31日現在)に対する割合は約1.14%である。 (S1)

06 / RATIONALE

目的は三つ。
会計は静かに済む。

完全子会社化の理由としてレカムが挙げた三点と、その中身を分けて見る。

レカムは効果を三点で開示する。意思決定の迅速化と事業運営の機動性向上、環境・省エネ事業のグループ横断での一体的推進、収益の一体化による企業価値の向上である。 (S1)

二点目の実務的な中身はクロスセルである。RIEが扱うLED照明、業務用エアコン、新電力等の環境商材と、レカムグループの法人顧客基盤と営業網を一体的に運用し、グループシナジーの最大化を図ると説明されている。 (S1)

この三点はレカムの見込みであり、現時点で検証された結果はない。合弁で保たれてきた光通信側の販売経路との接点がどう変わるかは、今回の開示からは読み取れない。

財務面の変化は意図的に静かである。資本金と準備金の増加はなく、純資産と総資産への重要な影響もない。非支配持分が消え、資本剰余金が動くだけで、連結損益はほぼ動かない。読者の確認点は損益よりも、環境商材事業の意思決定がグループ内でどう速くなるかに移る。 (S1)

07 / LESSON

合弁の出口は、
設計で選べる。

少数株主整理の手法は一つではない。この案件が示すのは選び方の一事例だ。

効力発生日までに残る手続は、2026年10月26日予定のRIEによる自己株式取得とRIE株主総会(書面決議)、そして消却を経て2026年11月9日予定を迎える株式交換の効力発生である。簡易株式交換は、一定数以上の反対通知がレカムに届いた場合には株主総会の承認を要する。 (S1)

現金で払う範囲を株式と案分し、対価に自己株式を充て、株主総会を省く。この構成は、資金負担と希薄化と手続コストを同時に抑える方法として、少数株主整理の選択肢の一つに数えられると読める。ここまでの整理は本稿の分析である。

仮説として、合弁の出口を光通信をレカム株主として残す形に選んだのは、環境商材事業での関係を完全に切らないためだと考えられる。完全子会社化したRIEの環境商材が、レカムの法人営業網でどれだけ動くか。その数字が、次の合弁解消案件でどの設計を選ぶかの基準になる。

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