01 / OVERVIEW
買い手はBTCを出し、
対象は新株を出す
2026年8月18日の共同発表から10月16日の株主承認まで。取引の形式と現在地を確認する。
取引概要
30秒で読む
株主総会承認済み(2026-10-16承認・2026-10-19公表)。クロージングは2026年第4四半期予定で未完了2026年10月24日時点
株式会社メタプラネット(東証プライム・3350)と米国100%子会社のMetaplanet Holdings, Inc.は、Super League Enterprise, Inc.(NASDAQ:SLE)が新たに発行する証券を引き受ける契約を2026年8月18日に公表した。拠出は2,100 BTCと現金2.5百万米ドル。受け取るのは普通株44,859,400株(1株3米ドル)、転換型永久優先株100株、行使価格3米ドルから33.50米ドルの10年ワラント最大381,000,000株である。実行後の普通株ベースの議決権比率は約95.7%で、既存のpre-funded warrantの行使を想定すると約93.6%になる。 (S1)
2026年10月16日の株主総会が本投資に関連する全議案を承認し、Super Leagueは10月19日に承認を公表した。ただし承認とクロージングは別の手続きで、Nasdaq届出等の条件が残る。完了は2026年第4四半期の予定で、執筆時点(2026年10月24日)では完了していない。 (S2)
正式なクロージング日、実行時点のBTC時価、ワラント行使後を含む最終希薄化は未開示である。次に確認するのは残条件の履行と、完了を示す開示だ。 (S2)
DEAL PRICE
DEAL PRICE / 拠出額とBTC評価の動き
BTCの評価額は評価基準日ごとの当事者公表値で、BTC価格に連動して動く。確定した取引対価ではない。
| ケース | 価格 | 条件 | 位置づけ(2026年10月16日) |
|---|---|---|---|
| BTC評価額(契約公表時) | 約132.1百万米ドル | 評価基準日2026-08-14 | 当事者共同発表の公表値2026-08-18 (S1) |
| BTC評価額(株主総会時点) | 約170.0百万米ドル | BTC価格の変動による更新値 | Super Leagueの承認公表に含まれる2026-10-19 (S2) |
| 現金拠出額 | 2.5百万米ドル | 契約で固定 | BTC評価と並ぶ拠出の一部2026-08-18 (S1) |
DEAL PROGRESS
DEAL PROGRESS / 承認済み、クロージング前
- 01原契約の締結と共同発表
2,100 BTCと現金2.5百万米ドルの拠出、Super Leagueの新規発行証券の引受で合意した。 (S1)
2026-08-18 公表・完了 - 02Super Leagueの株主総会
本投資に関連する全議案を承認した。承認はクロージングではない。 (S2)
2026-10-16 承認・2026-10-19 公表 - 03残条件の履行
Nasdaq届出等の条件が残る。履行の進捗を示す個別の公表は、執筆時点で確認できていない。 (S2)
未了・次の確認点 - 04クロージング
2026年第4四半期の完了予定。残条件の履行が前提になる。 (S1) (S2)
2026年第4四半期予定・未完了
本稿執筆時点(2026年10月24日)は株主総会の承認済み、クロージング前である。完了を示す開示は確認できていない。 (S2)
全履歴(4件)を開く
2026.08.18
2,100 BTCと現金2.5百万米ドルの拠出、新規発行証券の引受で合意。実行後の普通株ベース議決権は約95.7%。完了は2026年第4四半期の予定。 (S1)
2026.10.16
本投資に関連する議案の承認。承認はクロージングではない。 (S2)
2026.10.19
Nasdaq届出等の残条件と、10月16日時点のBTC評価約170.0百万米ドルを開示。 (S2)
2026年第4四半期(予定)
残条件の履行が前提。執筆時点(2026年10月24日)で完了を示す開示は確認できていない。 (S2)
本件でSuper Leagueは、新たに発行する証券の引受をメタプラネット側に割り当てる。メタプラネット側は2,100 BTCと現金2.5百万米ドルを拠出し、普通株44,859,400株、転換型永久優先株100株、10年ワラント最大381,000,000株を受け取る。既存株主から株式を買い取る譲受と違い、対象会社の側に資金が入る。当事者は、この契約がSPACやリバーステイクオーバーに当たらないと明示している。 (S1)
2026年10月16日、Super Leagueの株主総会が本投資に関連する全議案を承認した。Super Leagueは10月19日にこの承認を公表した。公表文は承認とクロージングを区別し、Nasdaq届出等の残条件を挙げている。完了は2026年第4四半期の予定で、執筆時点(10月24日)で完了を示す開示は確認できていない。 (S2)
本稿の主軸は取引の形式と資本設計である。既存株の買い取りと新株の引受では、対象会社の資金と既存株主の持分の動きが逆になる。三種の証券が支配と希薄化をどう並べ、BTC評価という動く変数をどこに残すかを、開示の範囲で整理する。
- 対象会社が新たに発行する証券の引受による第三者割当型の戦略投資である。既存株主から株式を買い取る譲受は伴わない (S1)
- SPACやリバーステイクオーバーではないと当事者が明示している (S1)
- 実行後の普通株ベース議決権は約95.7%。既存のpre-funded warrant行使想定では約93.6% (S1)
- FACT
- 株式会社メタプラネット(東証プライム・3350)と米国100%子会社のMetaplanet Holdings, Inc.は、Super League Enterprise, Inc.(NASDAQ:SLE)が新たに発行する証券を引き受ける契約を2026年8月18日に公表した。拠出は2,100 BTCと現金2.5百万米ドルで、受け取りは普通株44,859,400株(1株3米ドル)、転換型永久優先株100株、行使価格3米ドルから33.50米ドルの10年ワラント最大381,000,000株である。実行後の普通株ベース議決権は約95.7%、既存のpre-funded warrant行使想定で約93.6%。当事者はSPACやリバーステイクオーバーに当たらないと明示し、完了は2026年第4四半期の予定とした。 (S1)
- FACT
- 2026年10月16日、Super Leagueの株主総会は本投資に関連する全議案を承認した。Super Leagueは10月19日に承認を公表し、承認とクロージングを区別したうえで、Nasdaq届出等の条件が残ると説明した。本稿執筆時点(2026年10月24日)で取引は完了していない。 (S2)
- FACT
- 拠出する2,100 BTCの評価は、当事者が公表した基準日ごとに動く。2026年8月14日基準で約132.1百万米ドル、10月16日時点で約170.0百万米ドルで、差異はBTC価格の変動による。 (S1) (S2)
- ANALYSIS
- 既存株主からの株式譲受では対象会社に資金が入らない。本件は新株の引受を通るため、BTCと現金が対象会社に入り、見返りに既存株主の持分が薄まる。支配の確定を普通株の引受で済ませ、将来の拠出と調達の余地を優先株とワラントに残す資本設計と読める。 (S1)
- HYPOTHESIS
- 仮説として、メタプラネットはNASDAQ上場会社の支配と、永久優先株・ワラントによる将来の調達枠を組み合わせ、北米側にBTC財務の拡張基盤を置く可能性がある。ただしワラントの行使と優先株の転換は未実行で、調達の実現を示す開示はまだない。二次報道が挙げる理論上の調達額を、既に確保した資金と読み替える根拠はない。 (S1) (S4) (S5)
2026年10月24日時点の公開情報。以降の章は、開示事実を土台にしたRAXUSの分析・仮説です。根拠資料を見る ↓
02 / BACKGROUND
BTCを財務の中核に置く会社が、
NASDAQの上場基盤を得る
対象会社には資金調達の需要があり、買収側にはBTCの長期保有がある。両者は新株の発行で重なった。
メタプラネットはビットコインを財務の中核に置く戦略へ移行し、関連する金融サービスの構築を進めている。2026年8月18日の共同発表は、グループの保有量を43,000 BTCと記載した。この数値は公表時点の値であり、執筆時点の保有量を示さない。当事者の説明では、東京とNasdaqの二つの上場市場でBTC財務戦略と資本調達の基盤を展開し、連結グループ内のビットコインを維持する方針を取る。 (S1)
Super Leagueはゲーム・デジタルメディア領域の広告と、ブランド向けメディア施策を手がける。2026年1月から6月の売上は6.012百万米ドル、純損失は8.441百万米ドルである。2026年5月にはMisfits Adsに関連する資産を取得したことが、Form 10-Qに記載されている。 (S3)
赤字のNASDAQ上場会社が新株の発行で資金を集め、大量のBTCを持つ東京上場会社がそれを引き受ける。両社の需要が重なる点に、この取引の成立条件がある。設計がどう組まれたかは、次章で証券の数から読む。
03 / SCHEME
三種の証券が、
支配と希薄化を分ける
開示された株数と行使価格のまま、証券の構成を並べる。
引受の中心は普通株44,859,400株で、1株の引受価格は3米ドルである。実行後の普通株ベースの議決権比率は約95.7%になる。既存のpre-funded warrantの行使を想定した場合は約93.6%だ。普通株ベースの比率と、行使後まで込みにした比率は別の値である。 (S1)
これに加えて、転換型永久優先株100株と、10年のワラント最大381,000,000株(行使価格3米ドルから33.50米ドル)が付く。ワラントの行使が進めば発行済株式は増え、既存株主の持分はさらに薄まる。行使は買い手側の追加拠出と、対象会社の追加発行を伴う。 (S1)
この構成は、支配の確定を普通株の引受で済ませ、将来の資金調達の余地を優先株とワラントに残す設計と読める。ワラントの行使がいつ、どの規模で起きるかは開示されておらず、調達は現時点で実現していない。 (S1) (S5)
拠出するBTCの評価は、前掲の表のとおり基準日ごとに当事者値が動く。現金2.5百万米ドルだけが固定で、BTCの評価は価格に連動する。本稿はこの評価を確定対価として扱わず、執筆時点の価格での再計算もしない。
04 / COMPANIES
ビットコインの大量保有者と、
NASDAQの小規模上場会社
両社の規模と立位置を、開示された数値の範囲で並べる。
メタプラネットはBTC財務と金融インフラの構築を掲げ、共同発表の時点で43,000 BTCの保有を記載した。この数値は公表時点のもので、その後の増減を反映しない。当事者の説明では、東京とNasdaqの二市場でBTC財務戦略と資本調達の基盤を展開する。 (S1)
Super Leagueの主業はゲーム・デジタルメディアの広告と、ブランド向けメディア施策である。2026年上期の売上は6.012百万米ドル、純損失は8.441百万米ドル。取引後も既存事業を続ける予定と当事者は説明する。市場シェアなどの定量値は開示されていない。 (S1) (S3)
規模の差は大きい。拠出されるBTCの評価は、10月16日時点の公表値で対象会社の直近半年の売上を大きく上回る。買収側が得るのはゲーム広告事業に加えて、NASDAQ上場会社という資本調達の手段である。この読みは本稿の分析であり、当事者が公表した目的の文言とは別に検証される。 (S2) (S3)
東証プライム・3350
BTC財務・金融インフラの構築と関連金融サービス (S1)
- 今回の立場新規発行証券の引受側 (S1)
- BTC保有量43,000 BTC(2026-08-18共同発表時点) (S1)
- 執筆時点の保有量未開示 (S1)
- 取引費用・税務・アドバイザー未開示 (S1) (S2)
- 43,000 BTCは共同発表時点の値。執筆時点の保有量は本稿の出典では確認できない。
NASDAQ・SLE
ゲーム・デジタルメディアの広告、ブランド向けメディア施策 (S1) (S3)
- 今回の立場新規発行証券の発行側 (S1)
- 売上6.012百万米ドル(2026年1〜6月) (S3)
- 純損失8.441百万米ドル(2026年1〜6月) (S3)
- 市場シェア等の定量値未開示 (S3)
- 2026年5月にMisfits Adsに関連する資産を取得した旨がForm 10-Qに記載されている。取引後も既存事業を続ける予定と当事者が説明している。
05 / CLOSING
承認と完了の間に、
何が残っているか
株主総会の承認は、取引の完了を意味しない。残条件と未開示項目を並べる。
2026年10月16日の株主総会は、本投資に関連する全議案を承認した。会社側の意思決定が揃ったことを示す手続きである。取引の完了は別の手続きで、Super Leagueの公表はNasdaq届出等の条件が残ると説明する。完了は2026年第4四半期の予定で、執筆時点(10月24日)で完了を示す開示は確認できていない。 (S2)
開示されていない項目は、正式なクロージング日、実行時点のBTC時価、完了後の実効的な議決権比率、取引費用と税務、最終的な希薄化後の比率である。アドバイザーも、一次資料の確認範囲では非開示だ。本稿は未開示の項目を推計で補わない。 (S1) (S2)
読者が次に確認すべき開示は三点ある。残条件の履行を示す公表、クロージング完了の開示、実行時のBTC時価を含む最終条件の開示である。いずれも対象会社のSEC開示と両社の発表が確認先になる。 (S2)
2026年10月24日時点
- 取引形式
- 開示済み
- 対象会社の新規発行証券の引受(第三者割当型) (S1)
- 拠出資産
- 開示済み
- 2,100 BTC+現金2.5百万米ドル (S1)
- 引受証券
- 開示済み
- 普通株44,859,400株(1株3米ドル)・転換型永久優先株100株・10年ワラント最大381,000,000株 (S1)
- 議決権比率(普通株ベース・実行後)
- 開示済み
- 約95.7%(pre-funded warrant行使想定で約93.6%) (S1)
- 株主総会承認
- 開示済み
- 2026-10-16承認・2026-10-19公表 (S2)
- クロージング予定
- 開示済み
- 2026年第4四半期(予定) (S1)
- 正式なクロージング日
- 未開示
- 未開示。 (S2)
- 実行時点のBTC時価
- 未開示
- BTC価格で変動。執筆時点の値は公表されていない。 (S2)
- 最終希薄化後の比率
- 未開示
- ワラント行使・優先株転換の状況による。 (S1)
- 取引費用・税務・アドバイザー
- 未開示
- 一次資料の確認範囲では非開示。 (S1) (S2)
- 残条件の履行(Nasdaq届出等)
- 次の確認点
- 履行を示す公表を確認する。 (S2)
- クロージング完了の開示
- 次の確認点
- 完了を示す開示を確認する。 (S2)
06 / LESSON
商号が変わり、
上場は続く
クロージング後の姿と、読者が持ち帰る変数を示す。
取引の輪郭は、BTCと現金の拠出による新株の引受で、普通株ベース約95.7%の議決権を得る設計である。株主総会は承認し、残条件の履行と2026年第4四半期のクロージングが先に立つ。 (S1) (S2)
クロージング後は、対象会社がSuperplanet, Inc.へ商号を変更し、ティッカーをSUPAに切り替える予定で、NASDAQ上場は維持される見通しを当事者が示している。 (S1)
残る変数は価格である。対価の核をBTCが占める取引では、承認から完了の間にBTC価格が動けば、同じ契約の実質的な値付けが変わる。2026年第4四半期の完了開示が、その時点の値を示す。


