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Roche、創薬ラボの自律化に向けた段階を提示 人の役割も明示

Rocheは2026年9月28日のPharma Dayで、創薬研究を「Lab in a Loop」で進め、ラボの自律度を段階的に高める方針を示した。Reutersは、Genentech研究部門トップのAviv Regev氏が自律型AIラボの構築を始めたと説明したと報じた。公式スライドは人の役割も示す。今回確認した公式資料からは、拠点、専用投資額、実稼働時期は分からない。

Rocheは9月28日、ロンドンでPharma Day 2026を開いた。公式プログラムには、Genentech Research and Early Development(gRED)責任者Aviv Regev氏による「Revolutionizing drug R&D with Lab in a Loop」という講演がある。公式スライドは、標的探索から臨床候補まで各段階にAIを組み込んで反復する構想を示した。

Reutersは、Regev氏が最近、自律型AI駆動ラボの構築を始めたと説明したと報じた。公式スライドはこの取り組みを「Autonomous Lab Accelerator」と呼び、自律型ラボに向かう段階を示している。公式資料は、実験と計算をつなぐ研究の仕組みと、ラボの自律度を高める段階を示している。完成済みの無人ラボが稼働しているとの記載はない。

図解Genentechが説明するLab in a Loop
  1. 01 実験・臨床データ

    モデルへ入力

    実験室や診療現場で得たデータをAIモデルに渡す。

  2. 02 AIモデル

    予測・提案

    傾向を探し、次の実験や分子設計を提案する。

  3. 03 科学者

    実験で検証

    予測や設計に基づいて実験を行う。

  4. 04 実験結果

    モデルへ戻す

    結果を入力し、次の予測に生かす。

Genentechの2026年1月9日付説明に基づく。これは同社が説明したLab in a Loopの基本形で、今回構築を始めた自律型ラボの個別運用手順を示すものではない。

意思決定の40%でAI・計算科学の寄与を追跡

Rocheの公式スライドによると、2025年第4四半期から2026年第2四半期までのパイプライン意思決定の40%で、AIまたは計算科学の寄与を追跡した。ここでいう寄与にはAIと計算科学が含まれ、AI単独による意思決定率を示すものではない。スライドは影響を「重要」「判断の確信を支える」「考えを知らせる」の3種類に分けている。

同スライドは、AI・計算科学の寄与を追跡した判断の内訳として、その寄与の性格を重要41%、支援48%、情報提供10%と表示する。数値は丸められており、合計は99%になる。Rocheは重要な寄与を意思決定に実質的な影響を与えたもの、支援を判断の確信に意味のある影響を与えたもの、情報提供を検討に情報を加えたものと定義している。

TargetNexusは研究判断の80%への関与を目指す

標的評価を支援するAIエージェント「TargetNexus」について、Rocheは2026年第4四半期までに研究ポートフォリオ判断の80%に関与する見通しを示した。これは2026年第4四半期に向けた未達成の目標である。説明はツールの関与範囲に限られ、最終判断を自動化する比率や研究者に代わる決定権は示していない。

この80%目標と、直近3四半期のパイプライン意思決定で追跡された40%は、対象と期間が異なる。40%はAIと計算科学全体の過去の寄与、80%はTargetNexusが今後関与する研究判断の目標だ。単純な増加率や導入効果の比較には使えない。

自律化の段階と人の役割は一体で示された

自律化を扱うスライドは、L0の「完全な手動」から、機器の自動化、作業工程の接続、AI支援、領域単位の自律化を経て、L5の「ラボ全体の自律化」へ進む段階を掲げる。同じ図には人の役割として、Operator、Assistant、Approver、Auditorの4つが記載されている。個々の段階で誰が何を承認するか、実験をどこまで無人で行うかは示されていない。

Genentechは1月の説明で、科学者がAIの予測に基づく実験を行い、その結果をモデルに戻すと説明していた。今回のスライドはラボの自律化をこのループを強める取り組みとして位置づけるが、人間の関与をどこまで変えるかは明らかにしていない。今回確認した公式イベントページとプレゼンテーションには、所在地、専用投資額、稼働時期の記載が見当たらない。

出典

  1. Roche Pharma Day 2026 公式イベントページ2026年9月28日開催。ロンドン開催、講演者Aviv Regev氏と講演名「Revolutionizing drug R&D with Lab in a Loop」、webinar replayとスライドの掲載を確認。2026年10月1日確認。
  2. Roche Pharma Day 2026 公式プレゼンテーション2026年9月28日付、205ページ。p.73で2025年第4四半期〜2026年第2四半期の40%の追跡寄与と分類、p.74で標的探索から臨床までのLab-in-the-Loop反復、p.80でTargetNexusの2026年第4四半期80%目標、p.94でAutonomous Lab Accelerator、自律化のL0〜L5と人の4役割を確認。2026年10月1日確認。
  3. Genentech・AI Fuels Genentech’s R&D Ecosystem2026年1月9日公開。実験・診療データからAIモデルが傾向や予測を作り、実験や分子設計を提案し、科学者が検証して結果をモデルに戻すLab in the Loopを説明。科学者を実験の担い手とし、AIがその研究を補助すると説明。2026年10月1日確認。
  4. Reuters・Roche outlines plans to move towards autonomous AI labs2026年9月28日公開。Pharma DayでRegev氏が自律型AI駆動ラボの構築を最近始めたと説明したこと、直近のパイプライン意思決定40%の追跡寄与、Target Nexusの80%目標を報道。構築開始という発言の補助確認に使用。2026年10月1日確認。

出典の確認日 2026.10.01

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