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DeepSeek、Ascend向け計算・通信ソフトを公開 Huaweiと128基構成も最適化

DeepSeekは2026年9月30日、HuaweiのAscend向けに計算・通信ソフトウェアを公開した。DeepSeek公式GitHubにはAscend 950対応の計算ライブラリDeepGEMM-Ascendと通信ライブラリDeepEP-Ascendが加わり、同日公開のTileLang v0.1.15もAscend 950のバックエンドを追加した。Reutersは、両社がAscend 950チップ128基のスーパーノードを共同で最適化したと報じた。公開資料からは、性能比較や主要モデルの学習におけるAscendの利用比率までは確認できない。

カーネル記述から複数チップの通信まで

AIチップを使うには、演算器に合ったカーネルを書き、行列計算やチップ間通信を動かすソフトが要る。今回の公開は、その開発レイヤーをAscend向けに広げるものだ。

図解Ascend向けに公開・対応したソフト
  • TileLangカーネル記述用の高水準言語

    内容
    上流のv0.1.15が2026年9月30日にHuawei Ascend 950用バックエンドを追加
  • DeepGEMM-Ascend行列積(GEMM)カーネル

    内容
    DeepSeekの公式リポジトリで同日初回公開。BF16、FP8、FP4などをサポート
  • DeepEP-AscendMoEモデル向け分散通信

    内容
    チップ間のexpert-parallel dispatch/combineを実装。公開APIはNVIDIA版DeepEPにそろえる

TileLangは以前から開発されているオープンソース言語。Ascend向けアダプターも2025年から公開されている。2026年9月30日のv0.1.15はAscend 950向けnative backendを追加した。

DeepEP-Ascendは、混合エキスパート(MoE)モデルでトークンを担当エキスパートへ送り、結果を戻すall-to-all通信を担う。実装はAscend CとHuaweiのHCCL/HCOMM、UBMEM、URMAを使い、DeepJITで実行時にコンパイルする。APIをNVIDIA版に合わせても、Ascendで動かすにはCANNやBisheng、torch_npuなど対応ソフトが必要だ。

128基のスーパーノードは別途報道

Reutersは、DeepSeekが公式WeChatでHuaweiの全面的な支援に触れ、両社がAscend 950を128基使うスーパーノード案で計算と通信を最適化したと報じた。128基という数以外に、チップの型番、メモリー容量、接続方式、測定条件は公表資料から確認できない。

Huaweiが別に発表したAtlas 950 SuperPoDは、最大8192基のAscend 950DTを搭載し、フル構成は160のキャビネットで組む計画だ。そのうち128は計算用、32は通信用のキャビネットである。DeepSeekとHuaweiの128基構成でいう「128」はチップ数で、Atlas 950の発表にある「128」は計算キャビネット数を指す。

公開ベンチマークの条件に注意

DeepEP-AscendのREADMEには、Ascend 950DT上の通信速度が掲載されている。測定環境はCANN 9.2.0と、DeepSeekに提供された手動構成のPoC用HDKだ。DeepSeekはこのHDKを一般配布しておらず、READMEも将来公開予定の市販HDKで測った値とは区別している。したがって、掲載値はプロジェクト作者による試験結果で、第三者が再現した比較ベンチマークではない。

DeepEPのAscendバックエンドには、未実装や実験段階の機能も残る。READMEによると、reduce-scatterやall-reduceは開発中で、pipeline parallelismやEngram向け機能は実験的だ。独立した性能比較も今回確認できなかった。現時点で確認できるのはAscend向けソフトとその対応範囲で、NVIDIA環境との性能同等性や全面的な置き換えは示されていない。

DeepSeekのV4モデルカードは、主要モデルの学習に使ったチップ構成やAscendの利用比率を明らかにしていない。Ascend向けライブラリの公開は、DeepSeekが自社モデルをAscendでどの規模まで学習したかを示すものではない。

出典

  1. DeepGEMM-Ascend (DeepSeek official GitHub)2026年9月30日の初回公開、Ascend 950向けの検証状況、BF16/FP8/FP4 GEMMなどの機能を確認。ベンチマークはプロジェクト内の測定。2026年10月1日確認。
  2. DeepEP-Ascend (DeepSeek official GitHub)MoE向けexpert-parallel通信、Ascend対応条件、未実装機能、作者公表ベンチマークとPoC HDKの制約を確認。2026年10月1日確認。
  3. TileLang v0.1.15 Release2026年9月30日公開。Huawei Ascend 950(dav-3510)用native backendの追加を確認。2026年10月1日確認。
  4. TileLang-Ascend (Tile-AI GitHub)既存のAscend向けアダプター、公開履歴とA2/A3の動作確認状況を確認。2026年10月1日確認。
  5. DeepSeek partners with Huawei to develop chip programming tools, reducing reliance on Nvidia (Reuters, September 30, 2026; MarketScreener)DeepSeek公式WeChat投稿についてのReuters報道、Huaweiの支援、Ascend 950チップ128基のスーパーノード案を確認。投稿原文の公開ページは確認できていない。2026年10月1日確認。
  6. Groundbreaking SuperPoD Interconnect: Leading a New Paradigm for AI Infrastructure (Huawei, September 18, 2025)Atlas 950 SuperPoDの最大8192基、160キャビネット構成(128計算用・32通信用)を確認。DeepSeekとHuaweiの128チップ構成とは別の計画。2026年10月1日確認。
  7. DeepSeek V4 Model Card (April 27, 2026)モデルカードを確認。主要モデルの学習に使ったチップ構成やAscend利用比率の記載は確認できない。2026年10月1日確認。

出典の確認日 2026.10.01

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