公開パラメータがどう選ばれたかを調べる
対象はP-192、P-224、P-256、P-384、P-521の公開シードだ。シードは曲線の係数を定めるために使われる値で、利用者の秘密鍵とは異なる。歴史的なNISTのデジタル署名標準FIPS 186-2に掲載されている。
同社によると、Claudeは30分未満で生成方法を特定した。lrand48という疑似乱数生成器をUnix時刻で初期化し、出力から20バイトずつ候補を作る。P-256では1997年8月16日01時52分34秒UTCの時刻と、1842番目の候補から公開値を再現できる。
- 01 初期化
Unix時刻
1997年8月16日01時52分34秒UTCを使う。
- 02 候補生成
20バイトずつ
lrand48の出力の一部から順に候補を作る。
- 03 既知値と照合
1842番目
NISTが公表したP-256のシードと一致する。
出典はAnthropicの本文と公開再現コード。公開パラメータの由来を調べる手順であり、秘密鍵を求める手順ではない。
公開コードで結果を確かめられる
AnthropicはPythonの再現コードと期待する出力を公開した。編集部でもコードを実行し、5種類のNIST素体曲線のシードが掲載値と一致することを確認した。一部の曲線の基点を再現するコードも実行できた。これは公開コードの出力照合で、Claudeの探索過程を独立に検証したものではない。
基点や候補の選別には未解明の点が残る
シードと、署名に使う基点の生成方法は別の問題だ。P-224、P-256、P-384、P-521の基点や、二元体曲線B-163のシードの由来は未解明とされる。条件を満たす途中の候補が採用されなかった理由も分かっていない。
同社は今回の結果を暗号解読、新たな攻撃、ECDSAの弱点ではないと説明する。生成方法の再現だけで、あらゆる意図的な弱点が存在しないと数学的に証明したことにもならない。使用した内部研究モデルを、市販の特定製品と同一視する根拠は公表されていない。
出典
- Anthropic「Claude reveals ECDSA curve origins」2026-10-16公表。生成方法、公開コード、未解明事項、安全性の説明を確認。コード出力も照合。2026-10-17確認。
- NIST「FIPS 186-2, Digital Signature Standard」2000-01-27公表の歴史的標準。標準本文の楕円曲線パラメータと公開シードを参照。現行推奨規格として紹介しない。2026-10-17確認。
出典の確認日 2026.10.17