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Microsoft、企業内AIエージェントを「内部者」として監督するProject Perception拡張を発表

Microsoftは2026年10月19日、企業内で働くAIエージェントを「内部者(insider)」として扱い、発見から権限制御、継続的な監督までを担うProject Perceptionの拡張を発表しました。ローカルAIエージェントの検出対応を35種類追加して合計60種類とし、エージェント固有のID付与、タスク単位の動的な権限付与、リスク変化に応じた段階的なアクセス制御、監視役の「Guardian Agents」を組み合わせます。

Project Perceptionは2026年7月27日に発表された、エージェント型のサイバー防御の取り組みです。今回は対象を企業の外部から来る攻撃から、企業が自ら配備するエージェントへ広げました。発表にあわせて公開されたブログのひとつは、内部のエージェントが暗黙的に信頼されがちで、多くの場合過剰な権限を持つと指摘しています。

基本となる考えは、非決定的な知能を決定的な制御で囲むことです。モデルへの信頼と権限を分け、アクセスと実行の判断はモデルの外側に置きます。サティア・ナデラCEOは先ごろの文章で、次のように述べています。

「最も信頼できるエージェントシステムは、最も信頼できるモデルを持つものではない。モデルをほとんど信頼できなくても、設計によって信頼できるものだ。」

The most trustworthy agentic system will not be the one with the model we trust most. It will be the one designed that enables us to trust the model least.

サティア・ナデラ氏の文章「models as insider risks」。Project Perception拡張の発表ブログが引用
図解エージェントを囲む4つの継続的責務
  1. 01 Know(知る)

    発見とID付与

    センサーと統合でエージェントを発見し、所有者・目的・活動を統一レジストリにまとめる。Entra Agent IDがセンサー発見のローカル・未知のエージェントにもIDを与える

  2. 02 Contain(閉じ込める)

    権限ゼロから開始

    実行はMicrosoft Execution Container(MXC)などのサンドボックス内に置く。Dynamic Permissionsがタスクの範囲と期間に合わせ権限を与え、高影響操作には検証可能な人間の承認を要求する

  3. 03 Protect(守る)

    経路上の資産を保護

    エージェントの経路上にあるデータ、ツール、ネットワーク、クラウド、実行環境を制御し、通過する内容の機密性と出所を把握する

  4. 04 Adapt(調整する)

    リスクに応じ段階対応

    Dynamic Agent Riskが設定・到達範囲・影響・意図からの逸脱を継続評価し、Dynamic Conditional Accessが読み取り維持と書き込み禁止、到達先の絞り込み、権限の短縮・失効、実行環境の隔離まで段階的に動かす

出典はMicrosoft Security Blogの2026年10月19日付発表記事。4つは順番に実行する段階ではなく、同時に動く継続的な責務と同文書に記載されています。

発見の対象には、中央管理なしに端末へ導入されたローカルエージェントも含まれる。今回の拡張で検出対応は35種類増えて合計60種類になり、Claude Code、OpenAI Codex、GitHub Copilotが含まれます。60は対応する種類の数であり、検出された個体数ではありません。

権限の設計は「最初は何も許さない」が出発点です。エージェントは社員の権限をそのまま引き継がず、承認されたタスクに必要な範囲と期間だけ権限を受け取る。組織全体のポリシーが外枠を定め、社員が持たない権限をエージェントが得るのを防ぎます。経費承認のエージェントを例に、外部文書のプロンプトインジェクションに遭遇して無関係な操作を試みた場合、読み取りは残しつつ承認や書き込みを止め、重要な段階では人間の承認を要求する、という流れが説明されています。

リスクの評価は継続的です。Dynamic Agent RiskはID、データ、エンドポイント、クラウド、ネットワーク、実行環境、エージェント自身の活動の信号を組み合わせ、現在の権限がリスクに見合うかを更新し続けます。判断材料にはモデルの思考過程(chain-of-thought)の信号も加わりますが、モデル自身をセキュリティ境界にしない方針は変えていません。

Guardian Agentsは、機械速度で増えるエージェントの監視を人間の手作業に代わって担う役割です。人がポリシーと承認の境界、委譲ルールを定め、Playbooksが望む防御の成果を定義すると、Guardian Agentsがリスク変化の理由の調査、封じ込めの適用、ポリシー強化まで実行します。Project PerceptionとMicrosoft Agent 365はシグナル、文脈、統一レジストリを共有し、IT部門とセキュリティ部門が同じエージェント像を扱えます。ブログの概要説明では、今回の新機能をMicrosoft 365 E7とProject Perceptionの一部として案内している。

公表資料は機能の考え方と範囲を示すもので、個別機能の一般提供時期や料金は確認できていません。今後の確認ポイントは、各機能の一般提供と提供条件、他社エージェントやMCPサーバーへの対応範囲、誤検知と運用負荷の実際です。

出典

  1. Microsoft Security Blog「Agents are your newest insiders. Security must move at their speed.」2026年10月19日公開(著者Nadim Abdo、CVP Identity and Network Access)。Perception拡張の内容、60種類のローカルエージェント、Entra Agent ID拡張、Dynamic Permissions、Dynamic Agent Risk、Dynamic Conditional Access、Guardian Agents、モデル信号の扱い、Agent 365との連携、Microsoft 365 E7を含む概要説明。2026年10月20日に本文確認。
  2. The Official Microsoft Blog「Securing the agentic insider」2026年10月19日公開(著者Hayete Gallot、EVP Microsoft Security)。Project Perceptionの2026年7月発表、内部エージェントへの適用方針、Guardian Agentsの位置づけ、モデル透明性の説明。2026年10月20日に本文確認。

出典の確認日 2026.10.20

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