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BUSINESS REVIEW #027 · NE × HAMEE GLOBAL

スピンオフは、
切り離して終わりではない。
NEが韓国事業を譲り受ける予定

独立から約10か月。旧親会社側に残っていた韓国事業が、NE側へ移る予定だ。ただし契約は未締結、譲渡価額も未確定。

公開日 · 2026.09.20 · PORTFOLIO REVIEW · FACT / ANALYSIS / HYPOTHESIS

韓国事業の譲受(予定)を表現した編集イメージ(AI生成)
PORTFOLIO / AI EDITORIAL IMAGEISSUE 027

01 / CASE

独立して10か月。
旧親会社側に残っていた事業が動く。

NEの韓国子会社が、Hamee Globalの韓国「Next Engine」運営事業を譲り受けます。買収の規模は小さく見えますが、論点は金額ではなく、スピンオフの後に何が残っていたかにあります。

DECIDEDNEの取締役会が事業譲受を決議

2026.09.18

PRICE純資産価額ベース。契約で決定予定

未確定

CLOSING契約締結は9月30日予定。未クロージング

2026.10.01予定

NEは2026年9月18日の取締役会で、NE Korea Inc.がHamee Global Inc.から韓国の「Next Engine」運営事業を譲り受けることを決議しました。Hamee Globalは、Hamee株式会社の100%子会社です。

2026年7月1日にCafe24との業務提携、8月3日にNE Koreaの設立、9月18日に事業譲受の決議。NE自身が、Cafe24との提携開始後にNE Koreaを韓国事業拠点として設立した、と適時開示で説明しています。

この順序は、韓国での実行基盤を段階的につくっているとも読めます。ただし、各段階を最初から一連の計画として設計していたのかどうかは、開示からは分かりません。

これはHamee Global自体の買収ではなく、韓国のNext Engine運営事業だけを対象とする事業譲受です。開示では、固定資産、商標権、従業員の承継が明記されています。

本稿の執筆時点(2026年9月20日)では、事業譲渡契約は未締結で、クロージングも行われていません。9月30日の契約締結、10月1日の事業譲渡は、いずれも「予定」です。

FACT
NEは2026年9月18日の取締役会で、子会社NE Korea Inc.がHamee Global Inc.(Hamee株式会社の100%子会社)から、韓国で運営するEC事業者向け受注・在庫管理システム「Next Engine」の運営事業を譲り受けることを決議しました。株式の取得ではなく事業譲受です。事業譲渡契約は9月30日に締結、事業譲渡日は10月1日の予定で、本稿執筆時点ではいずれも未実施です。譲渡価額は、譲受資産から負債を控除した純資産価額をベースに、契約で決定する予定であり、現時点では確定していません。対象事業の2026年3月期の売上高は658,249千ウォン(概算72,407千円)です。
ANALYSIS
NEは2025年11月にHameeから株式分配型スピンオフで独立しましたが、韓国のNext Engine事業はHamee Global側に残っていました。今回の譲受は、独立後に残った事業をNE側へ移し、事業と法的な所有主体をそろえる取引と読めます。「post-spin-off perimeter cleanup」は会社の表現ではなく、本稿の編集上の整理です。対象事業の売上高は開示されていますが、契約社数・利益・承継従業員数は開示されておらず、事業の収益力までは判断できません。
HYPOTHESIS
今回の移管は、商標・人材・運営基盤を「最も自然なオーナー」へ戻すBest Owner型の再配置と見ることもできます。ただし、他の国・事業で同様の移管を行う計画は開示されておらず、追加の再編を既定路線として読むことはできません。

2026年9月20日時点の公開情報。以降の章は、開示事実を土台にしたRAXUSの分析・仮説です。根拠資料を見る ↓

02 / TIMELINE

意思決定の流れを追う。

2025.11.04

NEがHameeから株式分配型スピンオフで独立し、東証グロースへ上場

独立時点で、NEは「ネクストエンジン」を中核事業と位置づけていた(NE公式発表)。

2026.07.01

NEがCafe24と越境ECで業務提携

Cafe24のグローバル基盤と、ネクストエンジンのバックヤード機能を接続する方針(NE公式発表)。

2026.08.03

NE Korea Inc.を設立

NEの韓国子会社。今回の適時開示で、Cafe24との提携開始後に設立した韓国事業拠点と説明。

2026.09.18

韓国Next Engine運営事業の譲受を取締役会で決議

譲渡価額は未確定。固定資産・商標権・従業員の承継を明記(NE適時開示)。

2026.09.30(予定)

事業譲渡契約の締結を予定

譲渡価額はこの契約で決定する予定。決議時点では未締結。

2026.10.01(予定)

事業譲渡日を予定

会計上は「取得」に該当し、のれんは発生しない見込み。2027年4月期の業績への影響は軽微と会社は説明。

03 / PERIMETER

スピンオフは、
切り離した瞬間に終わるわけではない。

独立の時点で、事業の境界線が完全に引き直されたとは限りません。今回のケースは、その「残り」を示しています。

事実として、HameeはNEを株式分配型スピンオフで切り離した一方、Hamee Globalは引き続きHamee傘下に残りました。2025年6月のHamee資料は、スピンオフ前にHamee傘下にHamee GlobalとNEが並んでいた構造を示しています。

そのため、スピンオフ完了後も、韓国のNext Engine運営事業は旧親会社側のHamee Globalに残っていたことになります。

分析として、今回の取引は、独立から約10か月後に、その事業をNE側へ移す動きと読めます。「コマース企業」と「ECプラットフォーム企業」という事業の境界を、スピンオフ後に改めてそろえる作業とも見えます。ただし、これはHameeとNEの資本関係を再びつなぐ話ではありません。NEはすでに独立しており、本件は独立後の事業譲受です。

RAXUS VIEW / EDITORIAL TAKEAWAY

スピンオフ後の「取り残し」は
珍しい話ではないのかもしれない。

仮説として、分離の際に整理しきれなかった海外拠点や周辺事業は、独立後に別の取引で再整理される場合があります。ただし本件から他社の一般論までは言えず、Hamee・NEについても追加の再編は開示されていません。

04 / SCALE

対象事業の大きさは、
開示された数字の範囲でしか語れない。

譲渡価額が未確定である以上、この事業の規模は、限られた開示数字から読むほかありません。

開示されているのは、2026年3月期の売上高658,249千ウォン(概算72,407千円)、対象資産が概算29百万ウォン(約319万円)、承継負債が従業員の有給休暇未取得分で概算23百万ウォン(約253万円)の見込み、という数字です。

ここから譲渡価額を計算することはできません。会社は、譲渡価額を「譲受資産から負債を控除した純資産価額をベース」に、今後締結する契約で決定すると説明しているだけです。資産と負債の概算値の差を、確定価額として読んではいけません。

また、日本のネクストエンジンは、公式サイトで契約6,764社、年間流通総額約1.3兆円と紹介されています。しかしこれは日本のサービス全体の数字であり、韓国の対象事業の規模を表すものではありません。韓国事業の契約社数・利用店舗数・顧客構成は開示されていません。

05 / UNDISCLOSED

分からないことを、
分かったことと分けておく。

クロージング前の案件では、「まだ決まっていない」ことが最も重要な情報になります。

開示上、次の点は確認できません。最終的な譲渡価額、韓国事業の契約社数・利用店舗数・顧客構成、対象事業の利益・収益指標、承継する従業員数、アドバイザー。

知的財産についても同様です。開示は固定資産・商標権・従業員の承継を明記するにとどまり、ソースコードなどの権利がどこまで移るのかは示されていません。したがって、「ソフトウェア一式を取得する」とは言えません。

今後は、9月30日前後の契約締結、10月1日前後のクロージング、最終譲渡価額と承継範囲の追加開示、そして売り手側であるHameeからの説明の有無が、確認すべき点になります。

06 / LESSON

小さな譲受は、
事業の境界線を映す。

大型の統合に比べれば、この取引は小さな事業譲受です。それでも、スピンオフ後の事業設計を考えるうえで示唆があります。

第一に、分離は登記や上場の時点だけで完結せず、その後の取引で再整理される場合がある、ということです。海外拠点のように、分離のときに扱いが後回しになりやすい事業は特にそうかもしれません。

第二に、事業譲受は株式取得と違い、何を移すのかを契約で決める取引です。固定資産、商標権、従業員の承継は明記されていますが、どこまでが対象かは、契約が締結・開示されるまで確定しません。

第三に、記事として読むときは、確定した事実と予定を分けることです。本件はまだ譲渡価額も契約も確定していません。最終的な条件が開示されたとき、この記事の見立ても更新される必要があります。

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